顧客台帳コンサルタント
田中潮のオフィシャルサイト

顧客台帳コンサルタント 田中潮 オフィシャルウェブサイト【思わず試したくなるお店のための顧客台帳活用講座】 顧客台帳コンサルタント 田中潮 オフィシャルウェブサイト【思わず試したくなるお店のための顧客台帳活用講座】

2019/12/17

復活した「米トイザらス」早くも課題に直面

先日、2018年に全店閉鎖された米トイザらスが、一部ではありますが復活するというニュースをお伝えしました。

 

おさらいになりますが、2020年末までに少なくとも10店舗をオープンする計画とのことで、新しい店舗は「体験を強化」し、店内からオンラインへと繋げるOMO戦略を重視した内容になっています。
店舗は以前より小規模、在庫も最小限にし、代わりにプレイエリアを充実させています。

 

また、店内に設置されたセンサーは、さまざまなエリアで顧客の導線を観察
顧客は店内のインタラクティブ・ディスプレイを使ってオンラインで注文することが可能という、まさに未来型店舗になっています。

 

私は以前、米トイザらスの今後の課題として、この「体験」を通じてファン化させ、オンラインへとシームレスにつなげることが重要であると指摘していました。

 

今回、この「新しいトイザらス」に批判が上がっているとのこと。
引用記事によると「子どもの情報を収集している」ということで、プライバシーにかかわる苦情のようです。

 

通販では、必ず個人情報を提供することになります。
また、アマゾンゴーには店内のいたるところにカメラやセンサーが設置されています。
しかし、いずれも顧客は(その情報が流出などしない限り)それを受け入れています。

 

引用記事では、米トイザらスでは「子供たちの動きを追跡」していることに問題があるとして、(子供をトラッキングしないように)センサーの位置を調整するなどの対策を施しているようですが、根本的な問題はそれではないと思います。

 

理由はいたってシンプルで「顧客にとってのメリット」が感じられるか否かという点。
通販は、お店に行かずに商品を配送してもらうために個人情報の提供が必要であり、アマゾンゴーは「出来立ての総菜を(レジに並ばずに)手に取って変えるだけ」という明確な顧客メリットが存在しているため、顧客はカメラやセンサーの存在を受け入れているのです。

 

一方、米トイザらスの事例では、あくまで企業のマーケティング目的のための情報収集であり、顧客が受け取ることができるメリットが明確に伝わってきません。
もちろん、アマゾンもトラッキングデータをマーケティングに活用していると思いますが、それと同時に明確な顧客メリットが提供されている点が大きな違いです。

 

顔認証システムなどを活用することで顧客導線の分析をしようと試みた小売企業が失敗に終わったケースも、この米トイザらスと同様のケースです。
企業の情報収集目的で、単に天井に張り巡らされたカメラ等で顧客を追跡するような仕組みであれば、消費者は気味が悪く感じるでしょう。

 

繰り返しになりますがアマゾン・ゴーの場合は、店内に多くのカメラがあることがわかっても、来店客はカメラによってレジが無くなり便利な店が実現できている、と顧客メリットとして認識できることが大きな違いです。

 

来店客の動きをトラッキングすることで顧客にどのようなメリットが提供されるのか、そのあたりが明確にならないと、このような苦情はなくならないでしょう。

 

お読みいただきありがとうございました。

 

 

【引用記事】
米国で“復活”した「トイザらス」、店舗の監視カメラ技術が議論の的に
https://wired.jp/2019/12/16/toys-r-us-surveillance/

      

お店のためになる
顧客台帳活用
メルマガ全10回

顧客台帳の活用ノウハウや、顧客台帳データを活用することで売り上げ180%を達成した販売促進の成功事例などを、全10回にわたりお届けします。

田中 潮

店舗向け顧客管理システム営業、地域密着型成功小売店のアメリカ視察を経て、10年以上に渡り店舗業向けのデータ分析・マーケティングアドバイス業務を行う。
理論だけでない、具体的な事例を多数紹介したセミナーは参加者から高い評価を受けている。

詳しいプロフィールはこちら