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2019/08/02

「店舗アプリ」導入するうえでの留意点

既に方々で報道されていますが、セブン&アイ・ホールディングスがスマートフォン決済アプリ「7pay(セブンペイ)」のサービスを9月末で終了するとのこと。

 

セブンペイは2019年7月1日にサービスを開始し約150万人が登録していましたが、その後に第三者が本人になりすまして商品の購入をする問題が発生したことで、開始からわずか3か月で終了という異例の結果となってしまいました。

 

一時は、ナナコのポイント付与率を100円につき1ポイントから200円につき1ポイントへ変更することでセブンペイへの移行を促していたわけですが、これも「セブンペイ廃止を受けて、ナナコのポイント付与率を改めて検討したい」と発表しています。

 

セブン&アイ・ホールディングスとしては、約6000万枚発行しているナナコで決裁情報を入手てきていることがせめてもの救いということでしょう。

 

最近は、このような大手企業だけでなく数多くの店舗でオリジナルブランドのアプリを作成する事例が増えてきています。
これからオリジナルアプリを作成したいと検討している企業も多いのではないでしょうか。

 

そこで本日は、オリジナルアプリを作成する上で検討項目に入れていただきたいことを、まとめておきたいと思います。

 

お店の集客に欠かせないのが顧客台帳。
まずはこれがないと既存客にアプローチすることができません。
アプリを作成するのも、顧客情報と来店情報(=顧客台帳)を入手し、アプローチすべき顧客のリピート率を向上させるためです。
猫も杓子もポイントが付与されるこの時代に「ポイントで顧客を囲い込む」という発想を持つべきではありません。

 

まずは、なぜ店舗アプリの有用性が高いのか、これまでの媒体と比較しながら考えてみます。

 

その顧客台帳を収集する手段として古くから活用されてきたものが、ポイントカード
入会時、申込書に記入していただくことで、顧客情報を入手できます。
ただし、この運用で問題になるのがアプローチが紙媒体のDMになってしまうこと。
データ入力・出力の手間とコストが高くなり、結果としてアプローチの頻度が低くなってしまう傾向にあります。

 

時代とともに媒体は変化し、携帯電話の普及とともにメールが活用されるようになりました。
顧客情報はお客様で入力していただけるうえ、メールを活用できることで、よりタイムリーにアプローチできるのが利点です。
しかし、迷惑メール対策などセキュリティの観点でドメイン拒否などを行うユーザーが増えたことで、メールが届かないケースや、(メールが届くように)ドメイン許可リストへの登録作業が必要、など特に高齢のお客様にとっては運用が難しい点が懸念される媒体です。

 

そして、いま主流になっているのが店舗アプリ
これは、お店のオリジナルブランドでアプリを作成し、アップルやグーグルの公式アプリとして公開し自由にダウンロードできる媒体です。
当然、顧客情報はお客様で入力していただけるだけでなく、メッセージもアプリ内にプッシュ通知されるので、メールの様にドメイン拒否される心配もありません。
また、オリジナルブランドで公開できるのでブランディングの観点でも有用性があります。

 

ここで注意していただきたいのが、アプリでどのような情報を入手するのかという点。
特に、ポイントの運用方法については途中で変更できないので、じっくり検討しておくべき項目です。
アプリにおけるポイントの運用方法を、大まかにまとめておきます。
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①来店ポイント
これは、来店ごとにポイントが貯まる運用方法で、従来の紙のスタンプカードをアプリ化したものと言えば分かりやすいと思います。
メリットは、運用がシンプルで、ご利用金額などの入力が必要ないことから最もオペレーションの負荷が軽い点です。
また、1来店で1ポイント入手できますので、多人数で来店された場合に幹事以外のお客様にもポイントが付与される(=来店情報を入手できる)こともメリットのひとつです。
その反面、デメリットとしては「利用金額」のデータが入手できないことがあげられます。
したがって、「VIP客」などの判定が来店回数と最終来店日からの経過日数でしか判定できず、客単価に大きな開きがある業態のお店では正確な顧客管理ができません。

 

②金額ポイント
これが最もポピュラーな運用方法です。
家電店などでは一般的ですが、ご利用金額毎に一定の還元率でポイントが貯まる(100円で1ポイントなど)運用方法です。
メリットは、来店日時・来店回数・ご利用金額とRFM全ての情報が入手できる点。
これだと、VIP客を「最終来店日からの経過日数が浅く、来店回数が多く、且つご利用金額が多い顧客」と正確に判定できます。
デメリットは、利用金額の入力が必要で、来店ポイントに比べてオペレーションの負荷が大きくなること。
もうひとつは、支払いが発生しない幹事以外の来店客の来店情報が入手しにくい点です。
※1円で入力するなどの裏技もありますが、詳しくはご相談ください。

 

③金額・来店ポイント併用
これは、上記①と②を併用する運用で、お店の「通貨」が2種類になります。
ご利用金額毎に取得できるポイントは、通常1ポイント=1円のようにポイント値引きで利用されますが、それとは別に「3回来店でソフトドリンクプレゼント!」といったサービスを併用して展開する運用です。
メリットは、幹事以外の来店客の来店情報が入手でき、より多くのお客様へのアプリ登録をアピールできる点。
デメリットは、「通貨」が2つになることで運用が複雑になりかねない点です。
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いかがでしょうか。
店舗アプリは、開発コストが年々低くなっており導入事例が増えていますが、作ることが目的になってはいけません。
顧客台帳データを収集して「何がしたいのか」「どんなゴールを設定するのか」を予め考えて検討に入ってください。

 

でないと、例えばオペレーション負荷の軽さで来店ポイント運用を選択したが、VIP客の正確な判定ができず、返ってVIP離反を招いてしまったなどというケースに陥りかねません。

 

ポイントカード・メール配信・店舗アプリ・・・いずれの媒体も、単なるメッセージ配信目的で導入されるのであればSNSで充分です。
さらに前述しましたが特典付与が目的でもありません。
あくまで、顧客台帳を作成し、既存客とお店との絆を最大化させるPDCAサイクルを構築する「顧客台帳経営」が目的であることを前提に検討されてください。

 

今回の店舗アプリ運用にちなんで、RFM分析の手法について詳しく紹介した記事です。
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■顧客セグメントの作成:RFM分析

顧客セグメントの作成:RFM分析

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お読みいただきありがとうございました。

      

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田中 潮

店舗向け顧客管理システム営業、地域密着型成功小売店のアメリカ視察を経て、10年以上に渡り店舗業向けのデータ分析・マーケティングアドバイス業務を行う。
理論だけでない、具体的な事例を多数紹介したセミナーは参加者から高い評価を受けている。

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