無印良品が約1100品目の商品を値下げ
昨日も紹介した無印良品ですが、約1100品目の商品を8月30日から値下げするようです。
良品計画によると、10月の消費増税を前に価格競争力を高めることで、節約志向が強い消費者にアピールする集客策とのこと。
「お客さまが靴下と聞いて、真っ先に思い浮かべるポジションを得る」ための戦略的な値下げとされていますが、ここで疑問が生じるのが昨日も指摘させていただいた「無印良品」のブランドコンセプトです。
改めてになりますが、ブランドの役割とは何でしょうか?
一般的には、「より多くの人に認知されたい」「競合他社に対しての優位性を認識されたい」など、市場に対するアピール力の向上というイメージが強いのではないかと思います。
ひと言で言えば「知ってもらいたい」ということでしょうか。
しかし、その前段として重要なのが「自社(製品・サービス)のどのような価値を」「誰に」訴求するのかというブランドコンセプトです。
「どのように見られているのか?」という市場定義と、「自社は何者なのか?」という自己定義を明確にし結びつける一連の過程がブランディングです。
「自己定義」:ブランドの市場に対する浸透力を高める。
「市場定義」:評価やニーズを把握することで市場への適応力を高める。
この2つが結びつくことで、特定の市場に対するブランド価値を高めることができます。
ライフスタイルや価値観が多様化している現在だからこそ、明確な「自己定義」を行うことがターゲットとなる市場で「ファン」を確保する近道だと思います。
その観点で考えると今回の無印良品の値下げは、自己定義と市場定義にズレがあるように思えてなりません。
いまや無印良品の「ファン」は、低価格よりも「シンプルで高品質」に価値を見出している顧客層が多いのではないでしょうか。
「無印」が、ノーブランドという解釈ではなく、「シンプル」というデザイン性に付加価値を見出しているということです。
仮に市場定義がそうであるとすれば、「わけあって、安い」という「無印」の自己定義と、市場定義にズレが生じていることになります。
詳しく表現すると無印良品の自己定義は、「これがいい」ではなく「これでいい」です。
しかし市場定義は、「これでいい」ではなく「これがいい」に変化しているのかもしれません。
今回の値下げを市場がどのように評価するのか、継続して調査しておきたいと思います。
ご覧になった方もいるかと思いますが、昨日の無印良品に関する記事です。
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■無印良品のブランドコンセプトは難しい?
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お読みいただきありがとうございました。
【引用記事】
「無印良品」が攻めの値下げ 靴下3足は890円から790円に
https://www.wwdjapan.com/articles/874832
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田中 潮
店舗向け顧客管理システム営業、地域密着型成功小売店のアメリカ視察を経て、10年以上に渡り店舗業向けのデータ分析・マーケティングアドバイス業務を行う。
理論だけでない、具体的な事例を多数紹介したセミナーは参加者から高い評価を受けている。