「次世代型スシロー店舗」は成功するのか?
セルフオーダリングシステムやWEB予約、オリジナルアプリなど様々なIT技術を率先して取り入れている回転寿司業界。
今回は、その回転寿司業界における最大手の「スシロー」が、伊丹荒牧店に「自動皿会計システム」を導入したとのこと。
会計業務の効率化は、外食だけでなく小売の世界でも大きなトレンドとなっています。
今回のスシローにおいては、来店客の利便性向上と従業員の負担軽減が目的であるとされています。
画像認識の仕組みを活用し皿を自動的にカウントし会計処理するという流れは、あのレジなしコンビニ「Amazon Go」と同様です。
Amazon Goの戦略は、ランチ時に外食する暇がない「忙しいビジネスマン」に対して、「出来立ての総菜」を提供するために厨房設備に人材を配置、その代わりにテクノロジーを使って「会計業務をゼロ」にする、というものです。
これは、「利便性」を付加価値とした日本のコンビニとは違う戦略です。
では、スシローのケースはどうなのでしょうか?
まずは、当然のことながら会計処理の短縮化。
セルフレジにQRコードをかざすことでレジの待ち時間を解消するという「利便性」の追求。
もうひとつは、従業員の負担軽減。
これについてはセルフレジだけでなく、同社が「キッチン内オートウェイター」と呼んでいるもので、注文された商品をレーンに置く際の移動量を減らすという仕組みと合わせて実現させています。
問題は、これら「効率化」の取り組みの結果、「顧客価値」として具体的に何がもたらされるのか、ということ。
引用記事では「すしのうまさに直結する業務に集中してもらう」「従業員の労働時間を短縮させる」ための効率化であるとされていますが、他にも2019年2月5・6日を全店休業にして話題となるなど従業員満足に積極的なスシロー。
それらの取り組みが「味」や「サービス」の向上として、今後どのようにお客様に表現され知覚されるのか注目です。
同じく会計業務の効率化を実現しているAmazon Goの視察事例です。
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■店舗視察事例:Amazon Go
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Amazon Goは、ターゲット顧客を「忙しいビジネスマン」としており、「レジなし」は単なる効率化だけでなく、人的資源を「厨房で手作り」という顧客価値が高い業務に投下しています。
テクノロジーの活用目的とストアコンセプトにブレがありません。
スシローの今回の取り組みにより新しい顧客価値を生み出すのか否か、しばらく注目しておきたいと思います。
お読みいただきありがとうございました。
【引用記事】
スシロー「近未来店舗」は客の満足度を上げるか。自動皿会計システムや土産ロッカーを導入。
https://toyokeizai.net/articles/-/290155
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田中 潮
店舗向け顧客管理システム営業、地域密着型成功小売店のアメリカ視察を経て、10年以上に渡り店舗業向けのデータ分析・マーケティングアドバイス業務を行う。
理論だけでない、具体的な事例を多数紹介したセミナーは参加者から高い評価を受けている。