顧客台帳コンサルタント
田中潮のオフィシャルサイト

顧客台帳コンサルタント 田中潮 オフィシャルウェブサイト【思わず試したくなるお店のための顧客台帳活用講座】 顧客台帳コンサルタント 田中潮 オフィシャルウェブサイト【思わず試したくなるお店のための顧客台帳活用講座】

2019/05/15

吉野家が「ライザップ牛サラダ」を発売

大手牛丼チェーンの「吉野家」が、トレーニングジムを運営する「ライザップ」と共同で開発したという「ライザップ牛丼サラダ」を5月9日から発売させたとのことです。

 

「ライザップ牛丼サラダ」は、ご飯の代わりにブロッコリーやキャベツ、豆類などの野菜を使用、牛丼の並盛りよりも糖質を80%カットしたメニュー。
牛肉の他に加えた鶏肉や半熟卵により、タンパク質等の栄養も補給できるようになっているとのこと。
引用記事では、「糖質制限ダイエットの強い味方」「本当に美味しい。しばらくこれだけでもいいくらい」「予想以上に美味しかった。ヘビロテ確定!」と絶賛されています。

 

しかし、個人的にはこの施策には疑問符を付けたくなります。
いつも私が指摘しているターゲットマーケティングに一貫性を感じられないからです。

 

吉野家は、2018年度第3四半期(2018年3月~11月期)決算で、売上高1500億円(前年同期比2.4%増)と増収ながら、営業利益は5.6億円の赤字に転落しています。
一方、ライバルの「すき家」を手がけるゼンショーホールディングスが2月5日に発表した2018年度第3四半期(2018年4月~12月期)決算は、売上高4548億円(前年同期比4.4%増)、営業利益146億円(同7.2%増)と好調

 

この様に明暗が分かれた理由はなんでしょうか?
現在、吉野家は、セルフサービスの導入や牛丼の新サイズを投入するなどして業績回復に努めており、今回の「ライザップ牛サラダ」は、女性客などの新規顧客層の取り込みを図った企画だと思われます。

 

問題は、牛丼というファストフードを食べに来る顧客層に対し、ヘルシーメニューを求めるニーズがどれだけあるのか、ということ。
現在の吉野家は2003年のBSE問題以降、豚丼や最近ではカレーやベジ定食などを追加して「牛丼一筋」ではなく「定食メニュー」を充実させています。
しかし、もともと吉野家は「牛丼一筋」「うまい、やすい、はやい」が浸透しているブランドです。
すき家に比べて、「牛丼専門店」というイメージが強い吉野家は、以前から牛肉の産地や部位など質にこだわってきました。
その結果、原材料のコスト増に対応できず苦戦を強いられてきたことで、定食メニューを充実させる方向に舵を切ったわけですが、吉野家でいえば、「うまい、やすい、はやい」を極めることが固有の価値であり、そこから大きく離れることはリスクを伴います。

 

「定食メニュー」としてはライバルである「すき家」の方がトッピングなども含めて充実していますが、「3種のチーズ牛丼」や「キムチ牛丼」など「牛丼のファストフード」として商品戦略に一貫性が見られます。
すき家にも一応健康メニューはありますが、戦略としては牛丼のトッピングなど比較的短期間で期間限定商品を発売続けているのが特徴です。

 

質を重視するのか、ファストフード店として飽きられない様に多彩なメニューを展開するのか、このあたりを考えると「すき家」の方がターゲット顧客に沿った商品戦略を展開出来ているように思います。

 

今回の吉野家とすき家の事例は、あらためてターゲットマーケティングの重要性を再認識させてくれるものでした。
ターゲットマーケティングについては、アメリカの革新的スーパーマーケットの事例で詳しく説明しています。
================
■【店舗視察事例】アメリカの成功店舗から顧客ターゲットマーケティングを学ぶ
http://kokyakudaicho.com/2017/07/21/%E3%80%90%E5%BA%97%E8%88%97%E8%A6%96%E5%AF%9F%E4%BA%8B%E4%BE%8B%E3%80%91%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AE%E6%88%90%E5%8A%9F%E5%BA%97%E8%88%97%E3%81%8B%E3%82%89%E9%A1%A7%E5%AE%A2%E3%82%BF/
================
紹介しているいずれの店舗も、ターゲットマーケティングの戦略に「ブレ」がなく成長し続けています。

 

参考になれば幸いです。
お読みいただきありがとうございました。

 

 

【引用記事】
吉野家』が糖質8割カットの「ライザップ牛サラダ」発売。客の反応は?
https://www.inshokuten.com/foodist/article/5315/

      

お店のためになる
顧客台帳活用
メルマガ全10回

顧客台帳の活用ノウハウや、顧客台帳データを活用することで売り上げ180%を達成した販売促進の成功事例などを、全10回にわたりお届けします。

田中 潮

店舗向け顧客管理システム営業、地域密着型成功小売店のアメリカ視察を経て、10年以上に渡り店舗業向けのデータ分析・マーケティングアドバイス業務を行う。
理論だけでない、具体的な事例を多数紹介したセミナーは参加者から高い評価を受けている。

詳しいプロフィールはこちら