大塚家具の事例から「お客様満足」を考える
既に報道されていますが、大塚家具が崖っぷちに立たされています。
身売り交渉が進められているという憶測が飛び交っており、そこに名を連ねているのがヨドバシカメラと貸会議室大手のTKP。
ヨドバシカメラ側は買収について否定しているものの、一部報道ではTKPとの交渉が大詰めを迎えているという見方もあります。
そもそも大塚家具では、顧客一人ひとりに丁寧な接客を行うため会員制を取り入れ、それが大塚家具の強みとなり高収益を上げていました。
しかし、低中価格帯のラインナップを充実させて人気を博しているニトリやIKEAといった競合企業の登場で、徐々に苦戦を強いられるようになります。
2015年、現社長の新体制になってからは、その会員制を廃止し「おわびセール」などの値引きセールを展開、一時的には業績を回復させることに成功します。
しかしそれも長くは続きませんでした。
理由は、会員制を撤廃したことで店舗への入りやすさは改善したものの、一方でそれまでメインターゲットとしていた富裕層の顧客が離れてしまったことです。
それは数字にも表れており、2018年の5月は90.0%、6月は82.6%、7月は73.4%と月次売上高の前年割れが続いています。
そして、もうひとつの理由として挙げられているのが、従業員のモチベーション。
2015年の経営権をめぐる熾烈な「父娘バトル」をはじめ、その後の業績悪化に伴う給与カットや、続出する退職者の問題など職場が「従業員満足」とは程遠い環境にあることも業績悪化の大きな問題として指摘されています。
私が視察してきたアメリカのある食品スーパーは、運営しているグループ企業が3つに分割され身売りされるなど経営状態が厳しい状況にありながら、それでも生き残った店舗でした。
その秘訣が、「Happy Employees Equal Happy Customers!」です。
この「従業員満足無くして、お客様満足無し」という理念のもと、店長が独自判断で地域に根差したお店づくりを行いました。
結果、地域住民の方々から「このお店を残してくれ!でないと二度と(他のチェーン店を)利用しない!」という署名運動が沸き起こり、生き残りることに成功したという奇跡のお店です。
大塚家具の低迷を見ると、人的資源の重要性について再認識させられます。
上記の奇跡を起こして生き残った店舗の詳細は下記に詳しく紹介しています。
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■店舗視察例:アルバートソン
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「お客様満足」がビジネスの中心に必要であることは当然ですが、それを支えるのが「従業員満足」であると実感できる事例だと思います。
お読みいただきありがとうございました。
【引用記事】大塚家具、再浮上に欠かせない「人心」の重み
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180809-00232828-toyo-bus_all
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田中 潮
店舗向け顧客管理システム営業、地域密着型成功小売店のアメリカ視察を経て、10年以上に渡り店舗業向けのデータ分析・マーケティングアドバイス業務を行う。
理論だけでない、具体的な事例を多数紹介したセミナーは参加者から高い評価を受けている。