改めて実店舗の「価値」について考える
今回の引用記事は、スウェーデンで公開されているCMを紹介したものです。
消費者は立体ホログラム化されたAIプログラムと会話しながら買い物を行うという時代設定、町中の小売店がシャッター通り化されているというなんともショッキングな内容です。
しかし立体ホログラムは別としても、これは遠い先の話ではなく近い将来の話だと私は考えています。
ユニクロの潜入記事で知られる横田氏が、ユニクロに勤めていた時代に経験した違和感について下記の様に語っています。
感謝祭でレジ業務を行っていた時のこと。
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お客さんにお釣りを渡したら、その瞬間に次のお客さんを呼べと言われました。
でも失礼ですよね。
お財布にお金をしまっているお客さんもいるのに、そのお客さんにレジの脇にどいてもらって、次の人どうぞって。
感謝してないじゃないか、感謝祭なのに。
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ユニクロはヒートテックに代表される商品戦略が功を奏しブランド価値の向上に成功しました。
更に接客スタンスは「ヘルプユアセルフ」、つまりお薦めや売り込はしないというスタンスです。
上記レジ業務の事例だとユニクロとしては「次のお客様を待たせることの方が良くない」という考え方なのだと思います。
徹底した「モノ」の提供に特化した店舗づくりだと感じます。
今回の引用記事のCMは、そんな「モノ」売りに徹した小売業の未来を描いたものです。
タイトル通り決して「他人事」ではありません。
背景には、カスタマーサービスへの考え方があると思います。
私も小売業の勤務経験がありますが、特にチェーン店になると、いかに効率よく「モノ」を販売できるか、そして買わないお客様への接客時間をいかに減らすか、といった効率的な接客スキルが重要視されます。
お客様をハッピーにする事が結果的に来店客数増加につながる、という考え方を持った企業が少ない様に思います。
そして「モノ」であれば、Eコマースの方が(ロングテールの法則が働くので)圧倒的に品揃えも良く、価格も安く提供する事ができます。
これからの実店舗は、「このお店に行けばハッピーになる」という店舗体験を提供できるかどうか、が生き残る為の重要な要素になっていくでしょう。
このカスタマーサービスの考え方について、日米を比較しながら作成した記事を紹介します。
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※上記タイトルをクリックしていただくと、詳細記事がご覧いただけます。
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実際、このニューシーズンズマーケットでは、お店の売上は本部のバイヤーが全ての責任を負っていて、店長はカスタマーサービスに徹することが出来るようになっています。
カスタマーサービス(=お客様にハッピーな体験を提供する)と売上は、時には反比例することもあるので、責任の範囲を分けているとのことでした。
しかし、お客様へのハッピーな体験の提供が、結果的に来店客数の増加につながることを彼らは知っているのです。
だから、この様な組織づくりを行っているということです。
「Happy Employees Equal Happy Customers!」
従業員が仕事に誇りを持ち満足していなければ、お客様に満足を提供できるはずがありません。
貴店の従業員は自らの仕事に満足しているでしょうか?
貴店が提供する価値は、モノに変換できない「コト」の価値があるでしょうか?
参考になれば幸いです。
お読みいただきありがとうございました。
【引用記事】町の小売店が消滅寸前に? スウェーデンの金融ベンチャーCMが描く「他人ごとではない」近未来の悪夢
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田中 潮
店舗向け顧客管理システム営業、地域密着型成功小売店のアメリカ視察を経て、10年以上に渡り店舗業向けのデータ分析・マーケティングアドバイス業務を行う。
理論だけでない、具体的な事例を多数紹介したセミナーは参加者から高い評価を受けている。