苦戦が続く大塚家具、ルミネと何が違うのか?
以前にも紹介しましたが、大塚家具の苦戦が続いていると朝日が報道しています。
公平を期すため、大塚家具のホームページでは「当社の意図するものではございません」と反論されていることも念のため紹介しておきます。
しかし、大塚家具の2017年12月期決算は72億円の赤字(前年は45億円の赤字)、赤字は2年連続となり赤字幅も拡大しています。
苦戦の理由は、当の大塚家具のホームページに表れている気がします。
大塚家具のホームページを除くと「最低価格保証」と、どこかの家電店でよく見るようなサービスを謳っています。
更にその下には「すべてのお客様に、価値あるものを魅力的な価格で」の文章が。
私は、個人的にここが最大の問題だと考えています。
もう何度も言い続けていますが「より良いものを・より安く」という中間層を狙ったマーケティングは、結局、アッパー層からもロウアー層からも支持されません。
もともと大塚家具は、会員制を導入し「高級家具の大塚家具」というブランドを確立しましたが、その売り方は時代の変遷と共に合わなくなり売上は低迷していきました。
そこで、現社長は大規模なセールを繰り返し、瞬間的には「高級家具の大安売り効果」で売上を伸ばしましたが、長期的には顧客離れが加速し、大きな赤字を計上する結果となりました。
個人的には、事業を縮小し高級路線を継続すべきだったと思っています。
安さを求める顧客ならば、ニトリやIKEAに行くでしょう。
大塚家具が誰をターゲットにしているのか、戦略が見えてきません。
昨日紹介した売上が好調なルミネは、
・エスト:16〜18歳
・ルミネ2:19〜24歳
・ルミネ:25〜29歳
・ニュウマン:30〜44歳
という様に細かなターゲッティングがなされていました。
そして、ファッションビルでありながら(それだけでなく)お花や食べ物などターゲット顧客が満足する売り場をフロア全体で展開するマーケティングを実施しています。
「言うは易く行うは難し」・・・改めてターゲットマーケティングの重要性と(それを実践する)難しさを学ばせてくれる事例でした。
改めて、中間層ではなくアッパー層とロウアー層、ぞれぞれに特化したマーケティングを展開する2つの店舗の視察事例を紹介します。
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■たったの75店舗で、約5000店舗を展開するウォルマートに「価格」で勝負するウィンコフーズ。そこには徹底した効率化の工夫があった!
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■アッパー層が満足するお店を、店舗外観⇒商品⇒服装⇒サービスと店舗全てで表現するズーパンズマーケット。地下のワインセラーでは、ワインの試飲も可能!
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・「安さ」に特化するため、価格調査や商品陳列方法などを徹底して効率化しているウィンコフーズ。
・店舗外観から美しい花々に迎えられ、レストランのシェフ経験者が作ったデリカ、地下室でのワインの試食など、富裕層を徹底的に満足させる店舗づくりに特化したズーパンズマーケット。
それぞれ『誰を』ターゲットとして、『何を』サービスとして展開しているかが明確にお分かりいただけると思います。
参考になれば幸いです。
お読みいただいて、ありがとうございました。
【引用記事】大塚家具、創業の地・春日部から撤退 大型店を整理縮小
※上記タイトルをクリックしていただくと、詳細記事がご覧いただけます。
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田中 潮
店舗向け顧客管理システム営業、地域密着型成功小売店のアメリカ視察を経て、10年以上に渡り店舗業向けのデータ分析・マーケティングアドバイス業務を行う。
理論だけでない、具体的な事例を多数紹介したセミナーは参加者から高い評価を受けている。