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2017/07/03

顧客満足を生み出すインナーブランディング

今回は『インナーブランディング』についてのお話です。

 

インナーブランディングとは、企業が自社ブランドとそれが約束する価値を、社内に浸透させる啓蒙活動のことです。
社内でブランドの価値観を共有することで、スタッフの意識や行動のベクトルをブランドと合致させることができます。

 

対外的なブランディング=アウターブランディングだけでは「人」が果たす役割をカバーすることができませんので、インナーブランディングでそれを補うというものです。

 

「人」もメディアの一部

プロモーションにおいて「人」が果たす役割は非常に大きく、特に高品質・高付加価値戦略を採用している地域密着型店舗においては、チラシやWebなどの媒体よりも「人」をメディアとして捉えて活動することで効果が出ることが多いです。
ヒューマン・リソース・マネジメントの考え方です。
(人を『コスト』ではなく、『戦略的資源』として捉えるという考え方です。)

 

ある化粧品を通信販売されているお客様がいたのですが、チラシを何だかんだで数百万円つぎ込んでしまったものの、さっぱり効果がない為に相談を受けた事があります。

 

そこで、まずは現状把握という事で、その化粧品の品質や独自性などをオーナーに伺ったところ、語ること約1時間・・・。
自身がアレルギー体質であること、あらゆる化粧品を試したがどれを使っても湿疹ができてしまうこと、それならばと自分でと研究開発したこと・・・等など。

 

1時間かけて話をして頂いたことで、私はこの商品の品質とオーナーの熱意を深く理解できたのです。

ここでオーナーに「今お話いただいた情熱をチラシで表現できますか?」と問いかけました。

 

オーナーの答えは、もちろん「いいえ」でした。

 

チラシを否定するつもりは毛頭ありませんが、価格差を埋める為の品質感を説明するにはチラシは不向きです。
結局、セミナーの開催や会場で本を配布するなどした「人」を介した口コミマーケティングを展開する事になりました。

 

この場合、「誰に」「何を」まではしっかりと定義されていたのですが、ブランドが約束する価値を告知する「どのように」でつまずいてしまった事例です。

 

更に、この企業の次のステップは、オーナーの情熱をスタッフが理解して、誰がお客様に直面してもオーナーと同じクオリティで接する事ができるかどうかという事です。

 

『CS』」は『ES』から

言い方を変えるとオーナーと同じモチベーションでお客様に接する事ができるかという事になります。

ところで『CSはESから』という言葉をご存じでしょうか?

 

CSとは顧客満足、ESとは従業員満足の事です。
※ESのEはEnployee(従業員)です。

つまり、「自分の仕事に満足していない人が、お客様に満足を提供出来るわけがない!」という発想ですね。

 

そうなると顧客満足というのは、自社が提供する価値をまずはスタッフに理解して貰い、仕事に対する誇りや喜びを持っていただく事から着手すべきということになります。

そういう意味では、理念や価値感の共有化というインナーブランディングと顧客満足とは非常に密接な関係にあると言えます。

インナーブランディングが顧客満足に繋がっている例を紹介します。

 

アメリカの成功店舗:ニューシーズンズの事例

ニューシーズンズは、アメリカのポートランドにある食品スーパーです。
大手チェーンの進出にも負けていない、地域密着型の優良スーパーという事で、私自身、現地に行って視察研修を受けた経験があります。

 

このお店の理念は、責任者が全従業員と語り合う事を信条としており、「夢・誇り・お客様の健康・・・」など徹底された教育は『共育』であるとしています。
働く従業員を大切に、地域住民の健康を大切に、それこそが素晴らしい売場づくりへと繋がり、地域生活者の信頼が生まれるという経営哲学です。

 

このスーパーのマーケティング戦略をまとめると

【誰に】
健康志向・環境志向が高い消費者。

【何を】
オーガニック(有機栽培)中心の品揃え。
地産地消の高付加価値。

【どの様に】
地域密着で地元の消費者との“ふれあい”を重視。

 

具体的には・・・
直ぐ近くに農場を持つなど地産地消を徹底。
青果などで余った食材は専用の機械で肥料にし、無料で提供するなど環境保全にも配慮。

料理教室もイートインの一角で開催。
近隣の方にコミュニティの場を提供し『ふれあい』を大切にしている。

『ソリューションコーナー』があり、どんなものでも要望があれば試飲・試食が可能。
サンプリングは最も重視している戦略のひとつ。

3人の栄養士がおり、顧客の為に的確な食材リストも作ってくれる。

 

いかがでしょうか。
誰に・何を・どの様にが明確であり、店舗づくりだけではなく、スタッフに対しての理念・価値感の共有化も徹底されていないと上記の運用は不可能であることがお解りいただけるかと思います。

私服での勤務を承認するなど「仕事を楽しんで貰う」事で従業員のモチベージョンアップにも注力しています。

理念や価値感の共有というインナーブランディングが、従業員満足に繋がり、結果的にお客様満足を達成するというケースがありました。

 

このスーパーでオートミール(8ドル)が高くて買えないという顧客に、レジ担当者権限で量と価格を半分にして販売して喜ばれたというケースです。
従業員が自ら考え行動したのです。

 

このスーパーの従業員に伺ったところ「私たちはこのスーパーで働ける事を誇りに思っています!」との事でした。
実際、店舗を見ても非常にモチベーションが高くて積極的に声をかけてくれました。

 

結果的に、大手チェーン店が進出してきてもターゲットとなる顧客層や提供する価値が違うこと、それが顧客に理解されていることから、繁盛しているのです。

 

いかがでしょうか。
競合が多い今だからこど、ここで敢えて『外側』ではなく『内側』に目を向けて人的資源の有効活用に取り組んでみてはいかがでしょうか?

 

そこには、最近の実店舗が抱えている問題のひとつであるネットショップの台頭に対する答えも含まれている気がします。

 

【本日のまとめ】
『従業員満足』なくして『顧客満足』なし!

      

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田中 潮

店舗向け顧客管理システム営業、地域密着型成功小売店のアメリカ視察を経て、10年以上に渡り店舗業向けのデータ分析・マーケティングアドバイス業務を行う。
理論だけでない、具体的な事例を多数紹介したセミナーは参加者から高い評価を受けている。

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